ありふれた奇跡 最終回

「俺、ひとりじゃないよ」
子どもを数時間預かるという経験をして、子どもを母親に返して、翔太と加奈は互いの想いを深め、周囲もそんな二人を認めることに。加奈が本当に翔太のことを好きなのかと悩むプロセスから、結婚したいと決断するまでの流れがあっけない感じはするけれど、安易な結婚エンドにはならなくてよかった。神戸さんの家庭の問題を田崎家に持ち込み、それを嫌がる祖父を翔太が叱りつけて祖父が改心・・・というのも、祖父の「血のつながりが絶えるのが嫌だ」という問題が解決されていなかったので、何とも。最後は新しい生活・普段どおりの生活を続ける人たちが描かれて一応のエンドではあったけど、この先は・・・あえて問わない方がいいか。
全体を通してみれば、やはり独特の台詞回しや空気・間といったものが、今日の多くのテレビドラマとはまるで違っていて、山田太一の実力をうかがわせるものの、やっぱりどこかズレてしまっていたところがあったように思う。この独特のゆったりとした時間は好きではあったんだけども。自殺を止めた二人が恋に落ち、問題を抱えていることで家庭を巻き込んで様々な葛藤をしていく・・・という流れも好きではあったんだけど、やっぱり解決が安易というか。時代背景も現代の問題に触れながらも、どこかではやはりズレていて・・・でも最終的に頑固爺さんが改心して、人を信じることが大事・・・といった人生訓に転がるところは、これはこれでホッとした。ハートフルなドラマだったと思う。