ありふれた奇跡 第2回

死のうと思ったことがある。けどそれから立ち直ったはず、私も、そして貴方も。なのに貴方はどうして正直に本心を言わないの・・・といったところでしょうか、加奈が言いたいのは。けどそういうことを決して言ったりせずに静かに、言葉静かに、要点を外したまま分かり合えない・・・・・・そうだよなぁ、人間そうそう簡単にわかりあったり出来ないよな、と感心してしまった。加奈の本心打ち明けから始まり、翔太の態度に嫌気が差して立ち去り、おそらく未だに立ち直れていないであろう藤本と酒を飲み、最後にはまた翔太とコーヒーを飲む、という流れを一話でやったのはかなり気持ちいい。加奈自身の「取り返しのつかない事」という問題や、おそらく翔太が加奈に抱いているであろう恋心と、自分自身の整理のつかない感情がどうしようもなくもどかしい。
しかしどう考えても「ありふれた」出来事には思えないなぁ。翔太が加奈の祖母にボランティアを頼まれるシーンとか。アレはもちろん家に入り直すのが億劫だったはずの祖母が警報機を止めるために家に入るというのが滑稽で面白いし、加奈が「私と向き合ってください」というきっかけとしてはいいイベントなんだけど。加奈にとって「取り返しのつかない事」が起きたのは母親との会話を推測するに1年程前だし、それから「立ち直って前向きに生きている」と加奈自身は思い込もうとしているみたいだけど、そこまで割り切れてはいないんじゃないかと思ってしまう。次回は互いの家を訪問するのかな。そうすると結構展開が早いような気もする。
セメントの左官工事をやっていることをわざわざ改まって言う翔太、「叩くとセメントがこぼれる」とか言いながらバンバン叩くのはやめい、と突っ込みたくなった。自分の仕事に劣等感持ってたのは翔太だけで、加奈は全く気にしていないのに、それでも世間の目がそれを気にする、と。二人を追い出した後で「ねぇんだよ、バカヤロー」と吐き捨てる店員がいい感じだった。