ブラッディ・マンデイ 11(最終回)

Kの正体は真子だった・・・という驚愕の事実が発覚してから間もないうちに、「ブラッディ・マンデイ」の真の目的が明らかに。それは東京中を巻き込んだウィルステロではなく、中性子を強化した爆弾によるテロだった・・・ということで、ロシアのテロもウィルスではなく中性子爆弾だったことが明らかに。ブラッディXは、あくまでもそれを隠蔽するためだけのウィルスだったのか。どこまでもテロリストが向こうを張って先行しながらも、理由は「選ばれた人間が世界をリセットするしかない」という陳腐(に聞こえてしまう)な発想でしかなかった、そういう印象を受けた。真子は正体を明かしてからの豹変ぶりが凄まじく、キャスティングのレベルの高さをうかがわせるなぁ。
爆弾を自分のモノにするために藤丸を利用してテロを止めさせたJ、この極限下でなおも打倒ファルコンを目論むブルーバード、結局金稼ぎのためにテロリストをやってたマヤなど、敵側の人物が魅力的過ぎる。Jの「どこにもいないけどどこにでもいる」というのは、直前の「この国なんて滅んでしまえばいい」「ムカつく奴が多すぎる」といった不特定多数の人間の声を代表しているに過ぎないということか。となれば、毎回刻まれるPCの書き込みらしきものも、誰か特定の人間じゃなくて、総体の意識みたいなものか。最初にウイルス被害に遭った女性も、ネットでそういうの書いてた人だったなぁ。
最終的には父親の腎臓を妹に移植して、妹が目覚める・・・というのが最大のサプライズだった。あの後で「手術」なんて言うもんだから、親父の手術だと思い込まされてしまった。テロとの壮絶な戦いの後の日常への回帰というのはよくあるテーマかもしれないけれど、藤丸と日常世界の間には「KEEP OUT」のラインが立ちはだかってるし、今後もそうなってしまうんだろう。結構救いようがない作品だった。無論、これで後味がスッキリしてしまうような作りじゃないと思う。