機動戦士ガンダム00第20話「変革の刃」

今回の話で最も大きかったのは、沙慈の進路が定まったことでしょう。全てを知ろうとした絹江は「戦争」を体現するサーシェスに殺され、彼を繋ぎ止めておくものは無くなってしまいました(彼を引き止めるべきルイスの「手」はガンダムにより再生不能になりましたし、彼は作中でルイス以外のクラスメイトと関わっていないはずです。また、最近のメール履歴、絹江とルイスしかありませんでしたね。これはフォルダ分けしてるだけかもしれませんが)。そしてルイスの「宇宙で待ってて」というメッセージ。これは沙慈が宇宙に出ること、そしてこれからの作品の舞台が宇宙に移行することを示しているはずです。
もう一つ重要な点。それは30機もの「ガンダム」が導入されたことです。この作品では、刹那以外は皆ガンダムを「兵器」として行使しますし、明確に「ガンダム」を定義づけるものはありません(せいぜいGNドライブぐらいのものでしょう)。それゆえにあのような量産機(我々視聴者にはガンダムにはとても見えませんが)にも「ガンダムの力」とピーリス少尉が言うわけです。しかしそれは「勝利の美酒」、あまりに刺激の強い酒であり、世界中が「ガンダム」の力に酔っていくことは分かり切ったことです。そんな中でガンダムという美酒をはねのけたグラハム・エーカーと、この時期に考えることが「ない」と言い切ったパトリック・コーラサワー。今後の世界を変えていくのは、あるいは世界の変革を止めることが出来るのは、この二人をおいて他にあるでしょうか。当然、「俺がガンダムだ」という強いガンダム観をもった刹那が主人公である以上、彼が「ガンダム」を変えていける、そういう可能性もありますね。
さて、今回でそれぞれの立場はまとまって来ましたね。あくまでも戦争にこだわり続けるサーシェス、世界が変われば手段は問わない(いずれCB自体から離反する可能性すらありますね)という王留美、そして「ガンダム」を制御出来るヴェーダにアクセスし始めたアレハンドロとリボンズ。これからガンダム00は、世界は、そして「ガンダム」はどうなっていくのでしょうか。・・・しかしこの急展開、また誰か死にそうな気がしてきた。