漫画の編集者ってこんな仕事をしてるんですね

今日から通常更新に。また意見があれば述べる機会もあるかもしれませんが。


痛いニュース(ノ∀`) : 「金色のガッシュ!」作者・雷句がサンデー編集部の裏話を暴露…編集者らを実名挙げ痛烈批判 - ライブドアブログ
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2 少年サンデー編集部の実態
(1)本来、漫画家と、編集者(出版社)は、対等の付き合い、フィフティーフィフティーの関係でした。全没(始めから全てやり直し)が出たら、編集さんは深夜でも自宅のFAXで直しのネームを受け取り、すぐにチェックをし、原稿に取りかかれるようにする。そして直しを出すにしても、その先に漫画が面白くなるような展開を話し合う、漫画家を納得させて、漫画家も面白くするために努力する。もちろんお互いを仕事相手としても見ています。しかし、その関係はもうサンデー編集部にはありません。少なくとも、私、雷句誠においてはそんな関係はありません。


しかし、高島雅氏は強引に「思いつき」をゴリ押しし、後のお話に仕上げる展開、どんな矛盾やページ的無理があろうとやれと言う、そして大幅にオーバーしたページ数を出せば、「そんなの18ページに入るわけないだろ?!」と高島雅氏はキレ始める。
そんななか何とか話を面白くしようとするがやはり限界はある。自分であらかじめ考えてたお話を潰して、なぜ苦しんでまでつまらないお話を描かねばならないのかとストレスがたまる。


内容を聞くと、紛失したカラー原稿の話もあるが、私が小学館を離れる事に付いても話があるらしい。飯塚洋介氏は言う。
「いるじゃないですか・・・一回もうサンデーでは描かないといって、また戻って描く人が。」


いつから漫画雑誌に取っての漫画家はここまで馬鹿にされる様になったのか?高島雅氏の話の時にでた冠茂氏という編集者は私のアシスタントをしてくれていた酒井ようへい先生の担当編集で、冠茂氏の言う通り描かされ、酒井先生が、自分の描きたくないストーリー展開に抵抗すれば、「死ね!3流漫画家!」と、作画中に電話で罵倒され、後半はそれに対する酒井先生の抵抗もつらくなり、冠茂氏の言うまま描くも、お話を無茶苦茶にされ、人気も上がらず、最後引っ掻き回したお話を収集しないまま、別の編集者へ担当を変え、責任も取らず冠茂は逃げる。酒井先生はその引っ掻き回したお話を収めるだけで初の週刊連載を終わる事に・・・
このお話は当時の酒井先生が何度か自分の所へと相談に来ていたので、覚えている話です。本当に「道具」扱いである。


漫画雑誌では当たり前だが、漫画家がいなければ造れない雑誌である。普段漫画家を見下して馬鹿にしている編集者も、絵は描けなくても漫画原作者として一人立ちし、漫画雑誌を支えろ!と言われたら、誰一人として漫画原作者になる人はいないだろう。大ヒットを飛ばせれる自信はないだろう。それだけ漫画というものは難しいものと編集者はわかっているはずなのだ。それなのに何故、ここまで仕事相手としての対応をしないのか?


しかし、これでも上記の編集者は「働いている方」だと小学館内部の方に聞いた。畭俊之氏は言う
「漫画編集なんて楽だよ、漫画なんて漫画家に描かせればいんだから。」
http://88552772.at.webry.info/ に全文あり)

ビックリ仰天。編集者と漫画家のイメージがガラリと変わりました。サンデーは普段あまり読んでいないんですが、他の漫画家さんもこんな目にあっているのか、他の出版社でもこうなのか、まともな編集者はいないのか・・・という疑念にかられてしまいます。当然上記に長々と引用させていただいた文章が雷句先生のお怒りのあまり、編集者の悪行だけを延々と書き連ねたものであって、いい編集者もたくさんおられるとは思いますが、もしかすると編集者が全員こうなんじゃないのか、と思われても仕方ないぐらいですね。・・・というか、多くの方は呆気に取られていることと思います。
私は漫画家ではありませんし、編集者でもありませんし、熱心な漫画読者でもありません。どちらかと言うと、何も考えずに漫画雑誌を商品として享受し、娯楽として楽しみ、消費している立場であります。だから漫画家の味方をするんだ、と思われても構いませんし、実際多くの読者にとって編集者より漫画家の方が重要だと思われます。・・・まぁ、だから日の目を見ることがそうそうに無い編集者が漫画家を妬んだりして「お前が連載してるのは俺のおかげだ、お前ばかり注目されやがって」と思うことも不自然ではないと思いますが、一つだけ言わせていただきたい。
私の考えでは、漫画は漫画家・読者・編集者の三者がいて成り立つものであると思っています。漫画家が描き、読者が読み、編集者が読者の期待・意見を漫画家にフィードバックし、また漫画家が続きを描く。大体こういう仕組みの歯車がグルグルと回って週刊連載が出来上がっているものだと思われます。そのため、漫画家がやる気を無くせば読者は逃げる、読者が読まなくなければ編集者は漫画家に打ち切りやテコ入れを打診せざるを得ない、と言ったことも発生してくるわけです。システム上そういう厳しい現実があるのは仕方が無いことなのです、多分。漫画はエンターテインメントですから、読者に受容されなければ終わりです。そのために編集がテコ入れしてタイトル変えて異世界にワープして結局1クールで終わったりとかそういうことが起きちゃうわけです。魔法のような半年(リアルタイムで2年間)が終わってしまうのも仕方が無いことなのです・・・それはともかく。
漫画家が駄目になると編集者も共倒れになってしまうため、編集者が漫画家に人気を取らせようと必死になってしまうことや、人気漫画を漫画家の意向以上に継続させたいと思ってしまうことも仕方が無いのです。・・・だからこそ、漫画家と編集者の協力関係というのは絶対に必要なんですよ。編集者は出版社の都合でコロコロと担当が入れ替わってしまうし、漫画家の連載が終わっても別の漫画家につく事も出来るでしょう。けれども、「これが切れても次があるからいいや」「俺がこいつの面倒見るのも数ヶ月だし適当にやろう」というのでは無くて、漫画家と編集者が二人三脚で作品を作っていくことが何より重要なのではないでしょうか。甘い考えだとお思いの方もいると思いますが、特に少年漫画の場合、子ども達に「夢」を与えることが重要だと思います。子ども達を、読者を裏切ってはいけないでしょう。漫画家になりたいと思う子どもたち、編集者と協力して漫画を作って行きたいと思う若手の漫画家の人たち。そういった人たちの夢を裏切ってはいけないでしょう。
業界の事情も知らず、偉そうなことを申し上げてしまいました。漫画雑誌の編集者の方々が皆、雷句先生の仰られるような方でないことを祈ります。今後も一読者として少年漫画を楽しんで行きたいと、心から思っております。
駄文・長文失礼。