遊戯王5D’s第1話「ライディング・デュエル!アクセラレーション!」

いきなりスラムの仲間がパーツを盗んできて、セキュリティの牛尾(初代遊戯王第1話に登場した人物と同一人物らしい)とライディング・デュエル。そして遊星は自分のD・ホイールとカードを盗んで行った「キング」ジャック・アトラスとの決着を誓うのであった・・・。という急展開過ぎる第1話。とにかくライバルになるであろうジャックが海馬レベルの悪人(ブルーアイズ3枚集めるために自殺や社会的抹殺までやらかした海馬ほどじゃないとは思いますが)なので、どうも二人の熱いバトルはまだ期待出来無さそう。公式によるとジャックが盗んでいったのが遊星のエースカード「スターダスト・ドラゴン」らしいですので、すぐにぶつかることになりそうですね。
肝心のライディング・デュエルについてはスピード感溢れる演出が良かったのと、「走る」あるいは「飛ぶ」モンスターが中心だとやりやすそう。前作のエースカードであったネオスは「立つ」格好が素敵なモンスターだったので少し不向きな感じがしますが、ジャンク・ウォリアーがエースなら光るように思います。しかし、スピードメーターがどうとかが未だにわからないので、ライディング・デュエルについての説明はもう少し欲しいところ。カードの効果やテキストもGXほどわかりやすい演出で説明してくれないように思えますし、「リリースしてアドバンス召喚!」(前作の「生け贄にして召喚!」)など一気に用語を入れ替えてしまったのがわかりにくい。これに馴染めるかどうかといった矢先で来週は普通にデュエルディスクでデュエルするようですし、本当にライディング・デュエルの詳しい説明が欲しいところ。
世界観についてはキングであるジャックの位置する輝かしいネオドミノシティの中心部と、「サテライト」遊星たちの位置する薄暗い郊外や地下との対比がまず素晴らしい。「遊戯王」から数十年後とありますが、牛尾は同一人物らしいですし、せいぜい2〜30年後といったところでしょう。デュエルも全てDホイールで行われているわけではなく、中心部の子どもが最初の方でデュエルディスクでデュエルしていましたし、牛尾の「Dホイールの出所を〜」発言からすると、郊外の連中には簡単に手に入れられないぐらいにしか普及していないようですね。「ネオドミノシティ」と「サテライト」の階層化については、GXのデュエル・アカデミアのクラス別の階層化をより発展させたものでしょう。現実的に考えると、海馬コーポレーションやインダストリアル・イリュージョン社が慌ててネオドミノシティの都市開発を進めた結果、ネオドミノシティ中心部に住む特権階級と、郊外に住むフダ付き(セキュリティに特定される「マーク」をつけた少年ラリーなど)のサテライトとの格差が広がったのでしょうけれども。元々サテライトに位置していたであろうジャックが「キング」に上りつめたのは、特権階級への上昇志向の為せる業でしょうね。今後サテライトの遊星とキングであるジャックとの「格差」が広がっていくのか、それとも無くなって行くのかはわかりませんが(前作のクラス分けは最終的にほとんど意味無くなりましたしね)、今作は前作の「クラス」以上に、「都市」の格差が見た目に大きすぎるので、おそらく前者の「格差が広がる」という傾向に走るでしょう。しかし階級の異なるサテライトとセキュリティでも行えるのが「デュエル」ですし、今作はデュエルによって格差を撤廃していく、そういう方向にいってくれるといいんですけれども。
とにかく、スピード全開で走り過ぎて視聴者を置き去りにした感のある第1話ではありますが、これからが楽しみであります。