ハヤテのごとく! 最終話「RADICAL DREAMERS」―「ズラす」アニメとしてのハヤテ、その総括のためのメモ―

久々に一年物のアニメをぶっ通しで見たような気がするので、とにもかくにも総括。本作は「何でもありのアニメ」であります。時折無意味に挿入されるサービスカット、「見せられないよ!」を多用するパロディないしはサービスカット、次回予告にまで多用されるアニメパロディ、アニメオリジナル展開で暴走しまくった第3期、アニメあるいはアニメ制作に関するメタな言説と、視聴者の興味を「ズラす」作品であったことは間違いないと思います。
そもそもヒロインが多すぎる本作において、視聴者の興味は必然的にズレてしまいます。「真のヒロインは誰か」とか、「〜は俺の嫁」だとか、そういうのは一人一人の視聴者によって違うはずですね。ちなみに私はハヤテきゅんが・・・(誰も聞いてない)
今回の話では、「ズラす」というテーマが「過去にタイムスリップする」というエピソードと非常にマッチしていますね。過去の世界によって「インドア」のナギを外の世界に連れ出すというのも、また内から外へのズラしでしょう。
最終話が3つ存在したのも最終話の「ズラし」であります。1回目は第3期ラストの先行最終回(グレンラガン・星矢パロ、原作とは別人のプリンセス・ゴッドらによる執事バトルでしたが)、2回目は先週の進級決定エピソード、3回目は今週のタイムスリップ話。どれを「最終話」にするかは、当然時系列でいうと今回でしょうけれども、先週の話が最終回っぽいし、今回は番外編っぽいし、と最終話がズレてくるわけです。
そういったズレを解消しようとしたのが、EDの「木の芽風」を流しながらみんなで星を見上げるシーンでした。みんなで一つのものを見ることで、それぞれのズレを解消し、作品として一つにまとめようとしていたように思います。当然見ていたものは「エーゲ海の空」「プラネタリウム」「練馬の空」とズレているわけで、そのズレは解消しようもなく残ったまま、「第2期制作決定!」だなんてテロップが入るわけです。
とにかく、1年間楽しませていただきました。第2期も楽しみです。