機動戦士ガンダム00第25話「刹那」―第2期に向けてのまとめ―

グラハム「会いたかった・・・会いたかったぞ、ガンダムッ!」
刹那「貴様は・・・」
グラハム「あの時の少年か!やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ・・・。そうだ・・・戦う運命にあったっ!ようやく理解した・・・君の圧倒的な性能に、私は心奪われた!この気持ち・・・まさしく愛だっ!」
刹那「愛・・・!?」
グラハム「だが愛を超越すれば、それは憎しみとなる!行き過ぎた信仰が内紛を誘発するように!」
刹那「・・・それがわかっていながらっ!なぜ戦うっ!?」
グラハム「軍人に戦いの意味を問うとは、ナンセンスだなっ!」
刹那「貴様は歪んでいるっ!」
グラハム「そうしたのは君だっ!ガンダムという存在だっ!・・・だから私は君を倒す!世界などどうでもいい・・・己の意志でっ!」
刹那「貴様だって、世界の一部だろうにっ!」
グラハム「ならばそれは、世界の声だっ!」
刹那「違う、貴様は自分のエゴを押し通しているだけだっ!貴様のその歪み、この俺が断ち切る!」
グラハム「よく言った、ガンダムっ!」

このブログを始めるきっかけとなった、「ガンダム=断ち切るものとしての象徴」というテーマをしっかり明示してくれた(ように見えた、聞こえた)のは、個人的にはうれしいところ。そうだ、ルイスの左手が断ち切られたからブログを始めたんだった。
今回は最終話にして第2期への繋ぎ回であり、第2期への伏線を張りつつ、しかし第1期の伏線は回収せず、CB側は人員整理を図って・・・という回でしたね。とりあえずまとめ。

・CBのメンバー

  • クリスティナ、ラッセ、リヒティ・・・ほぼ死亡確定、クリスとリヒティは明確に死亡シーンが描かれている
  • スメラギさん、メカニックのおっさん(名前忘れた)、フェルト・・・生存確定、うちエピローグに登場しているのはメカニックのみ。
  • 刹那・・・マリナに当てた手紙の中で、自分が既に死んでいるであろうことを示唆、グラハムと相討ちと思われたが、グラハムは生存。エピローグの「エクシアの太陽炉でも動くかどうか」と、沙慈が見たGN粒子の軌跡から考えると、4年後に生還か?いずれにせよ第2期はこの「空白の4年間」をいかに処理するかに期待。
  • ロックオン・・・サーシェスと相討ちかと思われたが、サーシェスは生存。第2期登場の噂もあるが、死んでいないとは考えにくい。セーフティシャッター発動か?
  • ティエリア・・・太陽炉射出の場面で恐らく死亡。しかしティエリアらしき人物がルイスらしき人物とエピローグ最後に登場。ティエリアがクローンやコピー人間かもしれないことを考えると、別人かもしれない。
  • アレルヤ・・・別人格のハレルヤは死亡確定。この時右目を含む顔の片側が潰れてしまったことには注目(ロックオン負傷と重ね合わせてみてください)。ハレルヤの「先に逝ってるぜ」発言からすると、ハレルヤのみ死んでアレルヤが生き残っている可能性も十分にあり。
  • 王留美、紅龍・・・エピローグにてオーガンダムダブルオーガンダムを目撃。パイロットスーツらしきもの(単なる宇宙服や作業着には見えないデザイン)を着込んでいるため、自らが世界を変えるために動く可能性もあり。
  • イオリア・・・コールドスリープしていたものの、リボンズとアレハンドロにより完全に殺される。
  • ネーナ・トリニティ・・・エピローグにてヴェーダに干渉している場面あり、生存確実。

・国連・国連軍のメンバー

  • グラハム・エーカー・・・ガンダムに対して愛を叫び、GNフラッグでエクシアと相討ち。エピローグでは阿修羅のような仮面をつけて登場(顔面負傷か)。第2期での所属は不明。
  • ソーマ・ピーリス・・・第1期最終話にしてアレルヤの幼馴染であることが発覚。エピローグで軍人と量産機が大勢並んでいる場面(統一軍発足)には何故かいない。セルゲイ少佐の後ろに隠れているかと思われる。
  • セルゲイ少佐・・・ロシアの荒熊。エピローグで整列に加わっている。
  • カティ・マネキン大佐・・・エピローグで整列に加わっている。
  • コーラサワー・・・ティエリア相手に死んだかと思いきや、エピローグでちゃっかり整列に加わっている。
  • アレハンドロ・コーナー・・・金色のMA、MSを操り、ラスボスかと思いきやグラハムに「主役」を奪われ、リボンズには利用され、死亡確定。主役になりたかったらしい。
  • リボンズ・アルマーク・・・黒幕であったことが判明。ヴェーダをその手に握り、目下ラスボス候補。

・その他のメンバー

  • アリー・アル・サーシェス・・・ロックオンと相討ちかと思われるも、エピローグにて生存を確認。絹江、ラグナ・ハーヴェイ、トリニティ兄弟長男次男、ロックオンと殺しまくった今作の撃墜王
  • 沙慈・クロスロード・・・夢を叶えて宇宙で仕事をすることに。ガンダムらしきGN粒子の光を見ても極端な反応を示さず、「やられちゃえよ、ガンダム」といった暗い影は見られない。ルイスとは2年間音信不通。果たして彼の「もう一つの夢」であるルイスの夢とは?
  • ルイス・ハレヴィらしき人物・・・エピローグにてティエリアらしき人物と共に登場。CBの技術で左手を再生させるために(ロックオンの右目はルイスの左手と同じくGN粒子による損壊だが、回復可能であったことが示唆されていた)CBに従っている?沙慈とは2年間音信不通。


とりあえずこんなところでしょうか。作品としては、ガンダムで無数の量産機を蹂躙する前半と、ガンダムVSガンダム(スローネは当然、作中で「ガンダムの力」と形容されたジンクス部隊を含む)の展開になった後半の二つに分けて考えたいところですね。
本作で「ガンダム」は圧倒的な力の象徴であり、グラハムがそれに心奪われ、ピーリス少尉がそれに魅せられた、そのような兵器です。と同時に、ソレスタル・ビーイングの理念であった「武力による戦争根絶」を体現する存在でありました。そのガンダムガンダム(ジンクス)が戦うシーンに対して、違和感を覚えた視聴者も少なくなかったはずです。
OPを見てみて下さい。ライバルキャラ達にはそれぞれ量産機のカスタム型として自分の専用機が用意されており、それによってガンダムを打ち倒そうとしていますね。しかしいざ終盤に入ってみると、グラハム以外は誰も彼もがジンクスに乗り込んでおり、イナクトやティエレンといった量産機は見る影もありません。おまけにジンクスは量産機としては奇抜な(シンプルではない)デザインであり、ガンダムとして見るにも、量産機として見るにも中途半端です。これでは「ガンダムVS量産機」「ガンダムVS専用機」「ガンダムVSガンダム」を期待していた視聴者の全てを裏切る結果となってしまったのは自明です。終盤の展開を退屈に感じられた方は、おそらくこういったことも一つの要因だったのではないかと思われますね。第2期では是非、折角生き残ってくれたライバルキャラ達にそれぞれのカスタム機を用意していただきたいところです。しかし、中途半端な「ガンダムの力」を借りたという意味ではジンクスと同じなのに、GNフラッグに惹かれたのは何故でしょうか。この気持ち・・・まさしく愛だっ!(かな?)
主人公達が生死不明になり、ライバルキャラが軒並み死んだと思って実は生きていた、という意外な展開で幕を閉じた00第1期。第2期のスタートが待たれるところではあります。空白の4年間の謎と、第1期でも多く張られたであろう伏線を解決しきれるのか。誰が主役で、誰と戦うのか。どんなガンダムや量産機、専用機が出てくるのか。とりあえず待ち遠しいところです。