CLANNAD第17話「不在の空間」

なぜ今さら17話かというと、コードギアスが一日早く放送されていた地域に住んでいるからです。今度からそのアドバンテージも無くなるようですが。
今回の話は、渚が不在であり、また朋也に恋人が不在であるということを機に、椋・杏・智代がそれぞれの方法で朋也を奪ってアピールしあう、そういう話だと見るのが一番簡単でしょうか。つまり、「不在の空間」を埋めるべきなのは自分だ、あるいは自分の認めた妹だ、ということですね。
しかし朋也に「不在の空間」はありませんね。むしろ渚がいないことにより、「「不在の空間」の不在」が強調されてしまうばかりだったように思います。平たく言うと、朋也の心の中は渚でいっぱい、そういうことです。しかし、当の渚はこれまた不在。だからこそ「「不在の空間」の不在」を知らないヒロイン達が朋也をこの隙に奪ってしまおうというわけですね。
かわいそうなことに、杏や智代のシナリオは、原作ではどう考えても恋愛なしには成立しえないものでした。ことみや風子もあるいはそうだったかもしれませんが、それを朋也と渚の物語に繋げる一ステップにしてしまった京アニの手腕に驚かされるばかりです。とにかく、アニメが朋也と渚、二人の物語として進行してしまっている以上、彼女らに勝ち目はありませんし、不在を埋めることも出来ません。不在を埋めることが出来るのは、その「不在」、つまり渚だけなんですね。
来週は「逆転の秘策」・・・智代が生徒会長になるエピソードらしいですが、彼女らに「逆転」は許されていません。少なくともアニメ版CLANNADがリセット不可能な、一本の物語として構成されているとすれば。
あと、多くの人が思ったでしょうが、杏と体育倉庫に閉じ込められるシーンは秀逸でしたね。椋が不在であるその隙に、自分の本心をほぼ打ち明けてしまった杏と、そんなことにはお構いなしの朋也、その二人のズレがよく描けていたと思います。杏ファンの皆さんは、渚と朋也の行方を涙をのんで見守るか、無いとは言い切れない「逆転」の一打を待つしかないでしょう。