野球とビジネス―パウエル問題をめぐって―

今日からはゆるゆると更新していきたいなと思います。
私はプロ野球のにわかファンなので、今日はプロ野球の話題。
さて、今球界を大きく賑わせているのが、ソフトバンクオリックスパリーグ連盟の三者をめぐっての「パウエル問題」であります。
流れを簡単に説明しますと、
1.パウエルがオリックスの契約に合意し、FAXで書類を転送(法的には契約書として効果アリだそうで)
2.パウエルがオリックスとの契約を破棄(しかしオリックス側は未確認)
3.パウエルがソフトバンクとの契約を結ぶ
4.パ・リーグ側の裁定は「ソフトバンク優先で、6月23日以降の登録を認める」
という流れですね。これに対して、三者はそれぞれ
ソフトバンク「パウエルがオリックスとの契約を破棄した事実を確認した上での契約であって、二重契約にはならない、従って三か月も登録出来ないのはおかしい」
オリックス後出しジャンケンが有利になるのはおかしい、契約破棄の話も聞いていない、ソフトバンクに行くなら1年間登録禁止ぐらいにしろ」
パウエル「オリックスがこちらに不利な条件にしようとしてきた。自分はもうホークスの一員だと思っている」
という言い分です。

さて、ソフトバンクのチーム事情について語っておきますと、ソフトバンクは投手のいわゆる「4本柱」で勝ち進んできたチームです。ところが今年、王監督のラストイヤーと銘打って、日本一奪回を義務付けてしまっているのです。そこに「4本柱」が次々と離脱し、開幕投手のメドが立たない状態です。ですから、パウエルを開幕から使いたいわけで、3ヶ月出場停止は論外なわけです。もちろん、新外国人を取るのもアリですけれど、阪神ファンなら皆涙したエステバン・ジャン(2億以上もらってボークの新記録作って帰った)のような選手が来る、非常にリスキーな可能性があるわけでして、それなら日本で実績のあるパウエルがほしい、というわけでしょう。
オリックスも同じく、元々パウエルは近鉄→統合オリックスにいた選手ですから、「巨人クビになったならウチに戻ってこいよ」と言いたいわけです。そもそもオリックスの投手事情はソフトバンク以上に上手く行っていないようで、昨年は誰一人2ケタ勝利がいませんでした。だからこそ清原も王監督に「最下位のウチにパウエルを譲って下さいよ」だなんて言ったわけです(思いっきり怒られたらしいですが)。
さて、当然問題はパウエルです。両者に対して有効な契約を結んでしまったわけですから(たとえビザのためのFAXであっても、契約書としての効力は持っているようです)、二重契約と取られても仕方ありません。パ・リーグはそれに対して「本人の意思を尊重」してソフトバンク行きを認めたようですが、では「本人の意思」とは何なのか。
オリックスの契約条件は5500万+出来高ソフトバンクは1億+出来高(いずれも推定)だったようで、これなら「お金多くくれる方に行った方がいいや」と思っている、そうファンに思われても仕方がないわけです。

「本人との契約書には、細部にわたった内容が記されていて報道されている金額とはかけ離れた数字だ。裁判など、出るところに出て契約書を公にすれば球界がマネーゲームに走っている実態が見えてしまう。だから、両球団も連盟も煮え切らない。今回の件は球界が外国人選手にいいようにされていることの縮図。このままの状況なら第2、第3のパウエルが出てくる」
“第2、第3のパウエル”出現も…プロ球界の自縄自縛より)

今のところ誰が悪い、どこが悪いということにまで言及することは出来ませんし、それはファンの一人一人にお任せしたいと思いますが、多くマスコミが言うように、「悪しき前例」となってしまう可能性がありますね。
ステロイド問題もそうでしたが、このままだとプロ野球自体に悪いイメージが付きまとってしまうでしょう。ファンとして一番危惧すべきはそこであります。法律には詳しくないので、これといった解決法や、どういった結果になるかの予想もつきません。一人のファンとして出来るのは、こうやってブログに取り上げて、自分なりに問題をまとめて整理することでしょう。そもそもこのブログは、そういう風にやっていくつもりですしね。
皮肉めいた言い方になりますが、問題の早期解決と、今後の対策と、プロ野球界の発展を祈っています。
問題の細かい部分が間違っているかもしれませんので、発見された方はご指摘お願いします。