新井円侍『シュガーダーク 埋められた闇と少女』

シュガーダーク  埋められた闇と少女 (角川スニーカー文庫)
おすすめ度の平均: 4.5
5 ハルヒよりいい
4 別シリーズを始めるべきだ
5 心地好い作品
3 悪くはないが・・・
5 素材の秀逸さ

久々のスニーカー大賞作品。ハルヒ以来ということでいつか読もうとは思ってたけど、中途半端なタイミングになってしまった。
なんというか、ジワジワくる。序盤からグイッと引き込まれたり、最後まで楽しく読めたり・・・というわけでもなく、何ともあやふやで謎の多い作品だった。読後感もどうも謎。ただ、雰囲気は凄くいいし、淡々とした語り口、ド派手すぎない設定や描写その他含めて、手堅さはある。ムオルとメリアという名前の対応性なんかも、色々と気になるところではある。
続編やるらしいけれど、正直どういう存在かよくわからないザ・ダーク、バトルになりそうでならないバトルなど、これは大幅に設定を変えていかないとシリーズものとして展開していくことは難しいのでは。舞台も墓地から出られないことになってしまったし。単作としては十分面白いだけに、ひょっとしたら二巻が勝負どころになるのでは。
とにもかくにも、「6年ぶりのスニーカー大賞」という触れ込みの威力がデカすぎたのでは、ということを感じざるを得なかった。作品が悪いというわけではなく、ラノベをあまり読まない(くせになんか言いたがる)自分にとっては、賞をとったとか、アニメ化したとかはラノベを手に取る機会になってしまうので。ただ、「シュガー」かつ「ダーク」なこの作風は嫌いじゃない。読んで損はない作品。