クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!大人帝国の逆襲

長い間見たかった作品なので、今回のテレビ放送は素直に嬉しい。というか、実ははじめて見た。
実は昭和をあまり経験していない人間なので、「昭和は良かった」的なノスタルジーには同感できないんだけど、理想的に描かれる「昭和的なもの」に対して共感できる部分はないでもない。「時代の匂い」がない時代に生きてるからかもしれない。
しかしとにかくこの作品のいいところは、「昭和の匂い」に対して、「靴の匂い」で対抗するところだろう。「靴」=「家庭」=「いま」の匂いが、昭和のなつかしさに対抗するキーアイテムになっているところが、何とも言えずにいい。作中では結果として20世紀を乗り越える形で21世紀という「いま」を肯定したわけだけれども、なつかしい匂いに対する誘惑やノスタルジーは相も変わらず我々を取り囲んでいるし、そういったものと折り合いをつけてどのように「いま」を肯定するか。そういう問題って、いついつまでも変わらずに存在していくと思う。
ゼロ年代の想像力ゼロ年代の想像力
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