涼宮ハルヒの憂鬱 第24話「涼宮ハルヒの溜息V」

「この物語はフィクションです」
喋る猫、牽制しあうみくると古泉と長門、不機嫌が収まりつつも無意識に暴走するハルヒ、様々な不安を抱えながら、映画撮影終了。今回はとにかく、「言葉」に関する問題が全てだったような気がする。シャミセンが喋っているのが本当の「言葉」なのか、みくると古泉どちらの「言葉」を信じればいいのか、あるいは長門の言うように、誰の「言葉」も確証を持たないのか・・・。そしてオチはマジックワードだし。
ハルヒに関しては、みくるが「元々この世界は超常現象ありきで、ハルヒはそれを無意識に発見できる」で、古泉が「この世界は超常現象のない世界で、ハルヒが超常現象を起こしている」、長門は立場を保留。しかし、最終的にハルヒが「ふざけんな!」と三人の異常性を否定したけれど三人が消えるわけじゃないので、みくるの考えの方が正しいのかもしれない。しかしハルヒキョンを信じているならば、その可能性もあるということで三人の存在も認められ・・・思考停止。原作では「プロローグ」だった二人の会話をエピローグに持ってきたのは、構成上正解だったかもしれない。
細かいところでは、文化祭準備期間中暴れまわる謎のファンタジー世界の住人たち、本気で疲れ果てて死にそうな古泉(特に実際に倒れてオッサンにつつかれてるシーンは大丈夫かと心配してしまった)など、いい味を出していた。結局剣とオーブを持ってるヤツとか、映画を編集した誰かとか、今後明かされることはあるんだろうか。
とりあえず、「エンドレスエイト」の後の長編としてはかなり良かったと思う。エンドレスエイトが特に悪かったという意味ではなくて。あれはあれで・・・というのが一応の私の立場ではあるし。さて世界の住民にとって、「この世界」はどこまでがノンフィクションなのか。そしてどこまでがフィクションなのやら。猫は黙ったままであったとさ。
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