バスカッシュ! 第9話「アイドル・アタック」――アイドル声優論も若干交えて――

月から降りてきたアイドルグループエクリップスと、バスカッシュで対決。マネージャーの対応からすると、エクリップスバスカッシュをダン達に挑み、さらにOCBに加入しそうなのもどうも月側のビジネスのようですが、スポーツをビジネスとして利用しようとする月側VS自由で無秩序なものとしてストリートで展開しようとする地球側(というよりはるか=元月側)の対立図式は解消されないか。ダンを無理矢理罠にハメるために抱きついたルージュが、だんだんとダンに惹かれていく様子は王道ながらやはり素晴らしい。歌が流れ終わるまでというタイムリミットをつけて歌いながらのバスカッシュも、そりゃもう熱いものがありましたよ。相変わらず空気を読まずにデストロイをかますアイスマンが最高すぎた。フェミニストでも何でもないのな、バスケやると・・・。ちなみに以下がむしろ本論。別人が書いたかのような文章ですが、そういう装い。


声優にはあまり詳しくないですが、話のついでにもう一つ。この「エクリップス」なる「アイドル」グループは、声優論を語る上でかなりいいモノを持っていると思います。まずリーダーのシトロンが、「マクロスF」でデビューした中島愛(=新人アイドル)であること、そのシトロンがマクロスFの主人公アルト=中村悠一アイスマン・ホッティにベタ惚れすること(ちょうどマクロスFは、名が売れてきた若手声優であった中村悠一遠藤綾の狭間で無名の新人であった中島愛が成長していく物語でもありました)。
続いて「かんなぎ」のナギ様として「アイドル」としてOPを歌い上げた戸松遥がルージュ役であること。アイドルの物真似をしていたのに、いつの間にか本物のアイドルとして(本編中で)活躍することになるわけです。そのルージュがダンに惚れ始めたことはどう判断すればいいのかわかりませんでしたが、ダン役の下野紘かんなぎの主人公である仁を演じていたはずです。だとすれば、「バスカッシュ!」において、ナギ様と仁のアフターストーリーが展開されるかもしれない、そんな気もしてしまうのです。
最後にヴィオレット役の早見沙織ですが、これは「我が家のお稲荷様」でコウの女声を演じていて、男声を演じていた中村悠一アイスマンと表裏一体だったことを考えると複雑。今のところそれほど深く関わってはいませんが、ダン―ルージュ、アイスマン―シトロンという流れを考えると、セラと何らかの形で関わることになるのではないでしょうか。
また、アラン=フローラ王女=釘宮理恵エクリップスの「ファン(シリアル一桁の初期の熱心な)」であり、歌詞や時間まで明確に覚えており、ディスク版とライブ版の違いまで押さえておいて、さらに一緒に歌いだすシーンも重要でありましょう。OPの最後に4人でステージに立っていることを考えると、エクリップス加入ということも考えられます。声優として遥かに彼女らより先輩である釘宮理恵が彼女らの「ファン」という位置にいることも重要であるかもしれません。
もちろんもっと重要なのは、アランとして男装しているフローラ王女、その声が釘宮理恵であること。今でこそツンデレ声優として名高いようですが、「ハガレン」のアルフォンス、「MAJOR」の小森など、「男の子」を演じることも可能なわけです。フローラ王女のキャスティングが釘宮理恵なのは至って自然というか巧いというか順当というか、でも多分一つの作品で釘宮理恵に男女両方の役をさせるのは「バスカッシュ!」が初めてなのではないかと思うのですが、いかがでしょう。


こんな調子で一応論じてはいますが、ツメの甘いところも多々あるのは承知ですのでご了承ください。また、多分どなたか(特に釘宮理恵さんについては)先にご指摘なさっているかもしれないので、プライオリティを無視する結果になっておりましたらすみません。ご意見、ご批判などあればありがたいです。また、声優さんの敬称は略させていただきました。今後も「バスカッシュ!」ならびにエクリップスの活躍が楽しみです。