漫画家と出版社の和解

週刊少年サンデーに掲載された人気漫画「金色(こんじき)のガッシュ!!」の作者、雷句(らいく)誠さん(34)が、原画を紛失されたとして発行元の小学館に330万円の賠償を求めた訴訟は11日、東京地裁(山崎勉裁判長)で和解が成立した。和解条項は小学館側が紛失を謝罪し、和解金255万円を支払う内容。
訴えによると、連載終了後にカラー原画5枚の紛失が判明し、小学館側は原稿料(1枚あたり1万7000円)の3倍の賠償を提示したが、雷句さん側はオークションでは1枚平均25万円で落札されているとして、「漫画には美術的な価値がある」と主張していた。
雷句さんは和解後に会見し「255万円という価値が認められたのは大きな一歩。とても価値のある裁判でした」と話した。小学館広報室は「誠意を認めていただき、和解した」とのコメントを出した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081111-00000077-mai-soci

以前のエントリでも触れましたが、漫画家の原稿を無くして平然とする出版社に対して、何だかなぁ、という思いを抱いておりました。というのも、「漫画は漫画家・読者・編集者の三者がいて成り立つものであると思って」いる(あるいは「思っていた」)からです。また、雷句先生がこのような形での賠償だけを求めていたのではなく、編集者のマンガに対するスタンスへの違和感の表明をしていたことは見逃せないでしょう。だから、金だけ払って「和解」というのはちょっと・・・とか思ってしまいましたね。ただ、和解への「大きな一歩」であるとは思っています。一応金銭的な形だけでも、原稿を無くしたことに対する「誠意」だけは見せたわけですから。しかし、ジャンプの「バクマン」でどんどんと出版社・編集者・漫画家の内情(あるいは内情を装った言説)が暴露されているわけですが、ああいう理想を求めて漫画家になった人たちに、応えてあげられる編集者を育てて欲しいとは思います。