CANAAN 第十一話「彼女添」

「愛とは、厄介なものだな」
愛ゆえに果てる、二人の女。リャン・チーはどんな死に方をするかと思ったら、こんなむごい死に方か。死ぬほど焦がれたアルファルドに愛され殺されることを望み、望みが叶わず薬物投与で死ぬほど憎い「カナン」と化し、最後はカミングスによって「カナン」を殺して死ぬという、何とも複雑な死に方。そう考えると、あの場には4人の「カナン」(カナン、アルファルド、実験体、カナン化したリャン)がいたわけで、一体「カナン」とは何なのか、そして何を持って「カナン」とすべきかと、謎が残ってしまう。結局はアルファルドの「あの男は私をアルファルドとは呼ばなかった」が全てか。アルファルドとしては、カナンを倒し本当の自分の名を取り戻す、かつ唯一のカナンになる・・・というこれまたややこしい動機があるんだろう。
一方ハッコーは、愛するサンタナと死を共にすることに。カナンにはわからない感覚だったかもしれないけれど、ハッコーに相応しい死に方だったと思う。いつの間にかユンユンの薬を探しておいてくれた辺りも含めて。残ったメインキャラの女性はカナン、マリア、ユンユン、アルファルドの四人。ここから誰がどう生きていくのか、そこに注目したい。
愛の論理―私たちは、どこまで愛せばゆるされるのか (PHP文庫)愛の論理―私たちは、どこまで愛せばゆるされるのか (PHP文庫)
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